3びきのくま (世界傑作絵本シリーズ) [ レフ・トルストイ ]
タイトル:3びきのくま
著者:トルストイ
絵:バスネツォフ
訳:おがさわら とよき
1962年5月1日発行
出版社:福音館書店
読んであげるなら 3才から
自分で読むなら 小学校初級むき
あらすじ
ひとりで森へ遊びに行った女の子が、道に迷ってしまいます。
気がつくと小さな家があり、覗いてみると誰もいませんでした。
女の子は家に入り込み、スープを飲んで椅子を壊し、ベッドに入り込んで眠ってしまいます。
さてその森の中の小さな家は3匹のくまの家でした。
散歩から帰った3匹のくまが荒らされた家を見て憤ります。
そしてついに女の子が眠る寝室へ、くまたちが入ってきて・・・
この絵本の好きなところとおすすめポイント
この絵本の著者は「戦争と平和」「アンナ・カレーニナ」などを発表した19世紀ロシアを代表する作家のレフ・トルストイです。
元々イギリスの昔話であった本作を子どものためにアレンジしたものがこの絵本だそうです。
この絵本は「戦争と平和」感のない愉快なお話です。
道迷いをした女の子が勝手に家に上がり込んでめちゃくちゃするのですが、
バスネツォフの挿絵が牧歌的にあたたかく、読者が女の子の立場でも同じことをしてしまうかもと思わせるところがあります。
厚ぼったいお椀に注がれた黄色い(かぼちゃか、お芋?)スープ、これまた無骨なごろんとした木のお匙。
ちょっと口をつけてみたくなる魅力があります。
3匹のくまたちの描かれ方はというと、大きいくまのミハイル・イワノビッチは白い丸ボタンのついた緑色のベストを、
ちゅうくらいのくまのナスターシャ・ペトローブナは首に白いリボンを二重にして結び、黒字に白いラインで裾にレースをあしらったスカートに赤いエプロンを、
小さなくまのミトーシュカはミハイルとお揃いのベストを身につけていて
目はギョロリとして爪も鋭く、体毛も茶色のゴワゴワした風に描かれているのにかなりおしゃれでチグハグさがいい味を出しているのです。
知らない人のうちに入って勝手に物を使ったり壊したりして怒られる話なのに何度も読み返したくなるのは、
くまたちの暮らす家が素朴ながらきちんと整えられていて何度でも訪れたくなる素敵な場所だからなのです。
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